私達の行く先は天ではなかった。
第壱話 別火光の場合①
ここは屋御(やみ)市。そしてわたしは別火光(べっか ひかる)。この光と闇の対照的な生まれこそ、わたしの存在意義に火をつける。何を隠そう、わたしは選ばれた者なのだ。
何故なら、わたしが指をさせばほら、わたしの髪色と同じ緑色の光が灯る。それに妖精だって見えるんだ。
一応念の為に言っておくが、わたしはホラ吹いてるわけじゃないんだぜ。
信じられないかもしれないが、これは本当のこと。
……もちろん、能力のことと妖精のことは誰にも話しちゃいないがね。
わたしは選ばれし者。救いを求める人間に光を与える者。
選ばれた人間としてわたしが全てをなんとかしてみせる。
別火光の場合①
2023/02/16 up